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仙台市では、施設命名権(ネーミングライツ)の導入によって新たな収入を確保し、施設の管理運営等のための財源として有効活用するとともに、事業者の方々に企業PRや地域貢献などの場の提供を図っています。
このたび市のスポーツ施設や文化施設などの市民利用施設について、提案型募集方式により施設命名権者を募集します。https://www.city.sendai.jp/zaise-kokyo/jigyosha/keyaku/nr/r7/r7neboshu.html
最近、仙台市が「令和7年度提案型施設命名権者(ネーミングライツ)」の募集を発表しました。これは、市内のスポーツ施設・文化施設・公園など、みなさんが利用する公共施設について、施設の“愛称”(俗称)を命名する権利を、企業などに提供するというものです。名称そのもの(条例等で定められた正式な名称)は変えず、愛称として使うものです。仙台市公式サイト
この募集には、以下のような特徴があります:
- 対象は「学校・保育所などを除く市民利用施設」。スポーツや文化、屋内外の公共施設が中心です。仙台市公式サイト
- 命名権料(つまりその愛称を使う権利に対する支払い)は、施設によって最低価格が設定されています。たとえば「新田東総合運動場(愛称:元気フィールド仙台)」や「泉総合運動場」は年間250万円以上、それ以外の施設は100万円以上。仙台市公式サイト
- 契約期間は5年。期間中の愛称変更は原則不可です。仙台市公式サイト
- 募集~選定の流れも公示されており、市民意見の募集も行われる予定です。仙台市公式サイト
なぜネーミングライツが注目されるのか──背景と意義
では、このネーミングライツ制度をなぜ多くの自治体が採り入れているのか、その背景と意義をみていきます。
- 財源確保の手段として
公共施設の維持管理や運営には、多くのコストがかかります。ネーミングライツは、その運営のための新たな収入を得る一つの手段です。仙台市の募集要項でも、「新たな収入を確保し、施設管理運営等のための財源として有効活用すること」が明記されています。仙台市公式サイト - 企業のPR・ブランド露出の場になる
命名権を取得した企業は、その施設の愛称を使って宣伝効果を得られます。地域の人々が使う施設でその名前が呼ばれるたびに、企業名やブランドが印象付けられます。 - 地域への貢献・つながりづくり
単なる広告ではなく、「地域でこういう施設を応援したい」「地域の活性化に寄与したい」という思いを形にする場として機能します。施設利用者や市民から見れば、その名前には「応援されている場所」というイメージが生まれ、親しみが湧きます。 - 施設の認知度・利用価値の向上
例えば、大きなスポーツ施設や文化施設が「元気フィールド仙台」という愛称を持てば、人に伝えるときにも覚えやすく、利用を促す効果があります。愛称がキャッチーだったり、地域色を取り入れていたりすれば、それが魅力になることもあります。 - 公共と民間の協働の一形態
施設を運営する公(自治体)と、ネーミングライツを取得する民間企業が、施設の価値を共に作っていくという関係が生まれます。民間のアイデアや資源を活かしつつ、公共性を損なわないような工夫が求められます。
仙台市の募集の特徴から見る期待できる効果
仙台市のこの募集には、特に次のような良い点・期待できる効果がありそうです。
- 透明性が確保されていること
募集要項・選定基準・契約内容等が明示されており、市民意見の募集も含まれているため、地域住民からの理解を得やすい。仙台市公式サイト - 愛称としての命名であること
「条例上の正式名称はそのままに、愛称を付ける」という方式なので、法律的・行政手続き上の混乱が少なく、既存の名称や地名との摩擦を避けやすい。仙台市公式サイト - 柔軟な提案型募集であること
単に「この施設にはこの金額で命名権を買ってください」という方式ではなく、企業などから「名称案+地域貢献の内容+施設の価値がどう高まるか」の提案を求めています。これは企業側にも創意を発揮する余地があり、地域との関わりを深めるアイデアが出やすいでしょう。仙台市公式サイト - 期間が5年であること
短すぎず、長すぎず。5年あれば、名称が浸透する時間を確保でき、また振り返りや見直しの機会も持ちやすい。
考えておきたいリスク・注意点
ネーミングライツには良い面ばかりではなく、注意すべき点もあります。
- イメージとの整合性
取得する名称が地域や利用者のイメージと合っていないと、逆に反発を招く可能性があります。 - 長期契約中の変更が原則できないこと
仙台市の場合、契約期間中の愛称変更は原則不可。もしその名称に問題が出たときのリスクを考えておく必要があります。仙台市公式サイト - コスト対効果の見極め
命名権料を支払う金額に見合うリターンが本当に得られるかを、PR効果・利用者の増加などの観点から慎重に判断すること。 - 地域住民の受け止め方
地元の歴史・文化・愛着ある施設名との関係、水掛け論にならないよう市民の意見を反映するプロセスが重要。
ネーミングライツを検討する企業・団体のみなさまへ
もしあなたの会社・団体がネーミングライツ購入を検討されているなら、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- 地域性・共感性のある名称案を考える
例えばその地域の特色(自然・歴史・文化)を取り入れた名前にしたり、「みんなが親しみやすい」「元気が出る」「未来を感じる」など前向きな印象を与える言葉を使ったりすることで、地域からの支持が高まりやすくなります。 - 地域貢献・社会的インパクトをセットにする
単に名前を出すだけでなく、「地域イベントに協力する」「施設利用者の利便性向上に資する修繕や設備投資を支援する」など、実際に地域に還元する計画を含めると、応募の評価が高くなるでしょう。 - PR・マーケティング戦略を明確にする
命名した後、どのようにその愛称を広めていくか(広告・SNS・地域メディアとの連携等)を考えておくこと。名称が浸透すればブランド露出が自然と増えます。 - 契約内容をよく読むこと
期間、愛称使用範囲、既存の愛称や地名との兼ね合い、変更不可の条件など、契約の制約を理解しておくことが重要です。
まとめ:ネーミングライツで得られるもの、伝えたいこと
仙台市が今回募集しているネーミングライツは、ただの「名前の権利」を売るものではありません。名前を通じて地域とつながり、施設の利用価値を高め、企業としてのブランドや社会貢献を可視化するチャンスでもあります。市民側も「応援されている施設」「呼びやすく覚えやすい名称」があると愛着が湧きます。
ですので、もしあなたの企業や団体が「地域に根ざした発信をしたい」「公共貢献を具体的に行いたい」「施設名を通じて名前を残したい」と考えているなら、このネーミングライツの購入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。仙台市のような公的な募集であれば、公開プロセスも整っており、地域との信頼関係を築きながら参加できるようになっています。

