栃木県宇都宮市 地域スポーツ施設とネーミングライツ──「応援する」視点で考える新しいパートナーシップ

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※アイキャッチ画像はイメージです。

栃木県グリーンスタジアムにおいて、県の自主財源の確保と施設知名度・サービスの向上に資するため募集を行っていたネーミングライツパートナーを次のとおり決定しました。https://www.pref.tochigi.lg.jp/c09/shisetsu/sports/documents/namingrights/greeenkouhyou.html

先日、栃木県は、県内スポーツ施設である栃木県グリーンスタジアムに対して、本田技研工業株式会社(通称「ホンダ」)がネーミングライツパートナーとして決定されたと発表しました。期間は令和7年12月1日~令和17年11月30日の10年間、年額800万円という条件で、施設の正式名称を「ホンダヒート・グリーンスタジアム」とするものです。栃木県公式サイト

この出来事から、ネーミングライツ(命名権)という制度を「広告」だけの切り口ではなく、「地域価値」「つながり」「応援」という観点から改めて捉えてみたいと思います。一般の皆さんにとって少しわかりにくい制度かもしれませんが、身近な視点で整理していきましょう。

背景:なぜスポーツ施設がネーミングライツを導入するのか

スポーツ施設は、運営・維持管理に多くの費用を伴います。栃木県も「自主財源の確保と施設知名度・サービスの向上に資するため」本件を行ったと公表しています。栃木県公式サイト

それに加え、近年、施設を地域の「資産」として捉え直し、地域振興・交流・スポーツ文化の醸成を目指す自治体が増えています。施設名に企業名が付くことで、単なる「広告看板」以上の意味を持つ可能性があります。例えば、企業のブランドイメージや活動テーマが地域・施設とリンクすることで、その施設が「地域の顔」として定着しやすくなります。

意義:命名によって生まれる“つながり”と“応援”の力

今回の「ホンダヒート・グリーンスタジアム」という名称には、ただ社名を掲げるというより、「スポーツを通じて地域をヒートアップさせたい」「一緒に盛り上げていきましょう」という姿勢が感じられます。つまり、ネーミングライツには以下のような意味合いが生まれます。

  • ブランド×地域の結びつき:企業が施設の名前を支援することで、地域住民・利用者に「この企業も地域を応援してくれている」「この施設はこの企業のおかげで活用しやすくなった」という印象を与えられます。
  • 施設価値の向上:新しい名前がつくことで「以前とは違う施設に生まれ変わった」という意識を醸成できます。利用者が入りやすい・話題になる・メディアにも取り上げられやすい、というプラス効果が期待できます。
  • 地域への貢献・応援の姿勢:単に広告料を支払うだけでなく「この地域・施設を応援します」というメッセージを発信できます。地域のスポーツ・交流・イベントを共創するパートナーとしての企業の姿勢が地域の共感を呼ぶ可能性があります。

また、施設名=企業名という形を通じて、例えば「ホンダヒート・グリーンスタジアムで試合観戦しよう」「子どもスポーツ教室がホンダヒート・グリーンスタジアムで開催されるよ」と、施設利用への誘導・話題化にもつながります。こうした“名称の記憶”が利用促進にもつながっていきます。

具体的な効果:施設の知名度アップと地域とのつながり

今回のケースでは、応募者数が2者、選定委員会で優先候補に選ばれた企業が契約に至ったという流れが公表されています。栃木県公式サイト

こうした事例から、次のような効果を検討できます。

  • 知名度の向上:施設名称に話題性が出ることで、県外からも名前を聞いたり、公式発表・広報で取り上げられやすくなります。
  • 地域利用の促進:名前が更新されることで「新しい施設」という印象を持たれ、地域住民や利用者が関心を持つきっかけになります。
  • 企業の地域貢献の可視化:企業が支援する姿が名称に刻まれることで、CSR(社会的責任)の一環として地域に向けた貢献姿勢をアピールできます。
  • 施設運営の改善可能性:支援を受けた財源を活かして、設備更新・イベント開催・利用サービスの充実などが図られやすくなります。

ネーミングライツ購入を検討してみては?

もし企業や団体として地域の施設を活用し、「名前をつける」という形で…つまりネーミングライツを購入する可能性を検討するなら、以下のようなポイントが重要です。

  1. 地域との関係性:単に名前を掲げるのではなく、その地域・施設の利用価値・利用者層・地域課題を理解し、地域との「つながり」を意識できるか。
  2. 名称を通じたメッセージ:施設名に社名やブランド名を入れるだけでなく、「何を応援するのか」「地域にどんな価値を提供するのか」というメッセージが感じられるか。
  3. 施設活用の視点:名称をつけることで終わるのではなく、その施設を通じてイベント・コミュニティ・交流などが生まれるか。名称によって“人を呼ぶ・話題になる”仕掛けがあるか。
  4. 継続的な関係構築:期間契約型である以上、契約期間中にどのように施設と関わり、地域と接点を持つかによって名称以上の価値が出てきます。

読者の皆さま、もし「地域を応援したい」「施設の利用価値を高めたい」「地域と企業・団体がつながる新しい機会を模索したい」とお考えなら、ネーミングライツという仕組みはおおいに検討に値する選択肢です。今回の「ホンダヒート・グリーンスタジアム」事例に見るように、名称変更の契機を通じて、地域・施設・企業が三位一体となる新しい“応援のカタチ”が生まれています。

ぜひ、地域の施設をじっくり見つめ直し、「この施設に名をつけて応援する」という考えを一つの戦略として検討してみてはいかがでしょうか。

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