福島県 須賀川市 公共施設のネーミングライツで地域と企業が“つながる”新しい支援の形

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※アイキャッチ画像はイメージです。

本市では、民間事業者と連携して公共施設等を有効活用することにより、新たな自主財源の確保に努め、持続可能な行政経営の推進を図り、市民サービスの向上と地域経済の活性化に寄与するため、ネーミングライツを導入しており、本年度は以下のとおり、ネーミングライツパートナーを募集します。https://www.city.sukagawa.fukushima.jp/shisei/zaisei/1018387/1018388.html

こんにちは。今回は、須賀川市(福島県)で発表された「令和7年度ネーミングライツパートナー募集」のニュースをご紹介しながら、“ネーミングライツ”というしくみがどんな意味を持ち、どんな価値を地域や企業にもたらすかを考えてみたいと思います。


1.ニュースの概要と背景

須賀川市では、公共施設を活用して新たな自主財源の確保や地域経済の活性化を図るため、ネーミングライツ(命名権)を導入しており、令和7年度について「ネーミングライツパートナー」を募集しています。
具体的には、施設名を企業・団体等が変えるわけではなく、施設に「愛称(企業名・ブランド名などを冠した名称)」を付けられる権利を取得してもらうというものです。対象施設として、例えば「円谷幸吉メモリアルアリーナ」「文化センター」「中央図書館(市民交流センター内)」「たいまつホール」といった市の施設が挙げられ、年額の希望募集金額も明示されています。
契約期間は原則5年以上とされており、地域の公共施設を長期で支える“パートナー”としての関係づくりも視野に入っています。

このような自治体によるネーミングライツ導入の背景には、多くの施設で維持管理・運営にかかる費用が増えており、従来の税収や補助金だけでは賄いきれないという状況があります。資料によれば、ネーミングライツとは「公共施設の名前(愛称)を付与する命名権と、付帯する諸権利」のことで、自治体・企業双方にメリットがある仕組みです。


2.ネーミングライツの“意義”と“効果”

このような仕組みには、以下のような意義・効果があると考えられます。

(a)地域(自治体・市民)にとっての意義
・施設の維持や運営に必要な財源を新たに確保できる:施設の名前にスポンサー(企業・団体)からの対価が付くことで、使途が明確な収入が得られ、施設のサービス維持・向上につながります。
・地域活性化・市民サービス向上:名称変更(愛称でも)をきっかけに、施設の注目度が高まったり、新たな利用促進策が講じられたりと、地域の賑わいや市民の利便性向上につながり得ます。
・地域との“つながり”をつくる:企業・団体と自治体・市民が「この施設を共に支える」というパートナー関係を築くきっかけとなり、地域の連帯感や応援の気持ちが深まる可能性があります。

(b)企業・団体にとっての意義
・認知度・ブランドイメージの向上:施設名に社名・ブランド名が付くことで、来場者・利用者・地域住民に対して自社を知ってもらいやすくなります。
・地域貢献・CSR(企業の社会的責任)としての取り組み:単なる広告ではなく「地域の公共施設を支える」という切り口で、企業としての社会貢献イメージが打ち出せます。
・地域との関係構築:施設を拠点に地域の人々と接点を持つことで、地域に根ざした企業イメージをつくることが可能です。

(c)双方をつなぐ“応援”という視点
場面を少し広げると、ネーミングライツは「ただスポンサー料を払って名前を付ける」というよりも、「この施設を応援します/この地域を応援します」という意思表示とも言えます。地域にとっては「私たちの施設を支えてくれる企業・団体がある」という心強さがあり、企業にとっても「地域を共に盛り上げるパートナー」として位置づけられます。この応援の姿勢が、単なる取引以上に地域との信頼やつながりを生みやすいのです。


3.事例としての須賀川市募集のポイント

今回、須賀川市が募集するネーミングライツには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

  • 「施設等特定型」として、既に名称のある公共施設を対象とし、年単位の希望募集金額が明示されています。
  • 契約期間が「令和8年度から原則5年以上」とされていますので、短期ではなく長期視点での関係構築を前提にしています。
  • また、「提案募集型」として、施設名自体が定まっていない施設(公園、インフラなど)に対しても応募提案できる枠を設けています。
  • つまり、企業・団体にとっては「どの施設を」「どのように支えるか」を選べる余地があるという点が魅力と言えそうです。

これらの要点から見ると、単なる広告出稿とは少し異なり、施設の将来を見据えた“地域との協働”という色合いが強く感じられます。


4.ネーミングライツ検討時の視点

もし企業・団体としてネーミングライツの取得を検討するなら、以下のような視点が有用です。

  • 企業の理念やブランド・商材が、その施設・地域と親和性があるかどうか。施設の種類・来場者属性・利用時間帯などをあらかじめ確認すること。
  • 名称(愛称)が地域住民・利用者にとって親しみやすく、かつ企業の名前・ブランドが自然に入るか。名称が長すぎたり、呼びにくかったりすると定着しづらくなります。
  • 契約期間や対価・使用範囲を理解しておくこと。例えば、どこまで名称を使えるのか、広告掲出やプロモーション連携はどうするか、地域イベントとのコラボは可能か、など。
  • 地域との“つながり”をどう深めるか。ネーミングライツは単なる名前貸しではなく、「この地域を支えます/この施設を共に盛り上げます」という姿勢が価値を生むからです。

5.ネーミングライツ購入を検討してみてはいかがでしょうか

今回紹介した須賀川市の募集を通して、ネーミングライツという仕組みがただ「名前をつける」という広告手法以上のものだと感じられたのではないでしょうか。施設に名前を付与することで、地域の公共サービスを支えるという側面、地域の人々とのつながりをつくるという側面、そして企業・団体が地域に対して応援の気持ちを示すという側面――これらが重なり合っています。

もし貴社がより地域との結びつきを深めたい、地域の施設・サービスに貢献したいとお考えであれば、ネーミングライツ取得を前向きに検討してみるのも一つの選択肢です。施設の種類や地域性、契約条件を丁寧に見極め、単なる広告ではなく「地域を共に支えるパートナー」として名称を付すことで、ブランド価値も、地域への信頼も高まる可能性があります。

地域とともに、“名前”を通して新たなストーリーを刻む。そんな視点から、ネーミングライツという仕組みをぜひ改めて見直してみてはいかがでしょうか。

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