山口県 愛称が生まれる場所――「山口きらら博記念公園水泳プール」のネーミングライツ協定から考える価値

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※アイキャッチ画像はイメージです。

山口県では、県有施設を有効に活用し、施設への親しみや愛着を深めていただくとともに、財源確保を図ることを目的として、企業名や商品名などを施設の愛称として命名することができるネーミングライツに取り組んでいます。

「山口きらら博記念公園水泳プール」に係るネーミングライツパートナー協定締結式について - 山口県ホームページ

最近、山口県の「山口きらら博記念公園水泳プール」に新しい愛称が付きました。県が行っている「ネーミングライツ(命名権)」という取り組みの一環で、企業・徳機(とっき)株式会社が命名権のパートナーとして選ばれ、施設は「TOKKIアクアアリーナ山口」という愛称を持つことになったのです。

このニュースは、単なる名称の変更というだけではありません。地域と企業が“名前を通じてつながる”新しいかたちとしてのネーミングライツの持つ意味を見直す良いきっかけとなっています。


そもそも「ネーミングライツ」とは?

ネーミングライツとは、公共施設に企業名や商品名を付ける権利のことです。一般的に企業が料金を支払うことで、その施設の愛称に名前を付ける権利を持ちます。

山口県ではこの制度を、県有のスポーツ・文化施設の活用や財源の確保、地域とのつながりづくりのために取り入れており、今回の水泳プールでの取り組みは7例目にあたります。


命名による“価値”とは

1. 利用者にとって親しみが生まれる

施設に特別な名前がつくことで、利用者の印象が変わります。単なる「水泳プール」ではなく「TOKKIアクアアリーナ山口」という愛称は、地域の人たちの会話の中で話題となりやすく、施設への愛着や関心を高める効果が期待できます。名前は日常生活の中で繰り返し目にすることで、親しみや記憶として定着していきます。

2. 企業にとってのアピール効果

企業にとっては、自社の名前が地域のシンボルとも言える施設に使われることで、認知度アップ地域への貢献の姿勢を示すことができます。例えばスポーツイベントや地域の催し物が行われるたびに、愛称として企業名が繰り返し登場することは、広告以上の効果を生むことがあります。

また、単なる看板広告とは異なる「地域の一部になる」という実感を企業やブランドにもたらすことができます。

3. 地域全体へのメリット

ネーミングライツ料は自治体の財源として活用され、施設の維持管理やサービス向上に役立てられます。これにより、住民や利用者にとってより良い施設運営が実現できる可能性があります。また、企業の支援を受けることで、地域イベントや新しい取り組みへの投資にもつながりやすくなります。

このように、ネーミングライツは単なる広告の機会以上に、地域社会を支える仕組みとして働く面があります。


実際の取り組みから見える広がり

今回の事例はスポーツ施設ですが、全国ではさまざまな形でネーミングライツが活用されています。例えば、三重県津市では複数の公共施設にネーミングライツを導入して地域を応援する取り組みが進んでいます。これらの事例では、企業の名前が地域の重要なランドマークと結びつくことで、地域活性化につながる効果が紹介されています。

さらに、企業と施設が地域イベントやコミュニティ活動で協力することで、新たな交流や価値創造が生まれる可能性もあります。名前が付くだけで終わらず、その名前に込められたストーリーや関係性が地域にとって大切な財産となるのです。


あなたの身近な施設でも考えてみませんか?

ネーミングライツというと大規模スタジアムや有名施設を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、地域の小さな体育館や公園、コミュニティセンターなどでも導入できる可能性があります。

「名前を通じて応援したい」という想いがかたちになる――それがネーミングライツの魅力のひとつです。広告の視点だけでなく、地域のつながりや価値を高める手段として、検討してみる価値は十分にあるでしょう。

地域に根ざした企業や団体のみなさんにとって、ネーミングライツの可能性を考えることは、地域活性化と自身のブランド価値向上につながるひとつのチャンスかもしれません。

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