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民間企業との協働により公共施設の持続的な運営と維持管理を行うとともに、住民が快適に利用できるように、また、公園等の魅力向上を図る為、施設命名権(ネーミングライツ)スポンサーを募集します。https://www.village.ohira.miyagi.jp/soshiki/14/11472.html
先日、大衡村(宮城県黒川郡)が、村内の公共施設に対する施設命名権(ネーミングライツ)スポンサーの募集を発表しました。village.ohira.miyagi.jp
募集対象は、たとえば「達居森と湖畔自然公園」や「万葉の橋」。つまり、地域のランドマークとも言える場所の“名前”を、企業・団体が一定期間その施設につけることで、村と協働して施設の維持・魅力向上を図ろうという取り組みです。
この「ネーミングライツ」という仕組み、聞いたことはあっても「実際にはどんな意味があるの?」「企業・地域にとって何がメリット?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。その背景・意義・効果を整理しつつ、自分の会社や団体でも検討材料としていただければと思います。
なぜ“施設の名前”を売る(貸す)ことをするのか?
まず、施設命名権を導入する背景から見てみましょう。
・公共施設の維持・管理には、もちろん村(あるいは市町村)が財源を確保し運営していく必要があります。
・しかし、人口減少や財政ひっ迫などの影響で、従来の行政だけの負担では十分に“魅力あふれる施設づくり・活用”が難しくなってきました。
・そこで「民間企業や団体と協働し、施設名を活用してもらう代わりに支援を得る」という考え方が出てきます。
このように、地域(自治体)から見ると「施設をより魅力的に活用し、住民にも利用してもらいやすくするための手立て」としてネーミングライツを募集しているわけです。今回の大衡村の募集でも「民間企業との協働により公共施設の持続的な運営と維持管理を行うとともに、住民が快適に利用できるように、また、公園等の魅力向上を図るため」と明記されています。
ネーミングライツの意義 ― 単なる広告以上の価値
「施設に名前を付ける=広告」という見方もできますが、それだけではありません。以下のような意義があります。
・地域のつながり・共感を育む
名前を付けるということは、単に看板を出す以上の意味をもちます。たとえば「○○公園」「△△橋」など「自分たち(地域・企業)がこの場所を応援している」「この場所を一緒につくっていく」というメッセージを込めることができます。地域住民にも「この場所、私たちの地域なんだ」という誇りや帰属意識を醸成できます。
・利用価値を高めるきっかけになる
命名権によって企業等が施設運営や維持に関わると、施設に新たな付加価値が生まれることがあります。例えば、イベントを共催したり、施設の周辺整備を支援したりすることで、「ただの公園」「ただの橋」から、より“使いたくなる場所・訪れたくなる場所”へ変化していく可能性があります。
・企業・団体側にも“関わる”価値がある
企業側から見れば、施設名を冠することによるブランド認知や広告効果がありますが、それだけではなく「地域に貢献している」という社会的な評価=いわゆる CSR の実践にもつながります。名前を掲げることで、地域住民や利用者の記憶に残りやすく、かつその施設とともに「応援する存在」としてイメージアップにつながる可能性があります。
命名による“効果”とは? 実際に期待できるもの
では、命名権を取得することで期待できる具体的な効果を整理します。
・施設名に企業名・団体名が入ることで、施設を利用する人や訪れる人に対してその企業・団体の関わりが明確に伝わる。
・口コミやSNS等で名前が出ることで、企業名の露出が増える。
・地域メディアや自治体広報で施設名・企業名が掲載される機会が増える。
・住民・利用者が「これは企業も支えてくれている施設だ」「この地域がいいところだ」という認識を持ちやすくなり、施設利用自体が活発になる可能性。
・施設の維持・魅力向上に使われる支援金が入ることによって、より快適に・安全に利用できる施設となり、結果として利用者満足度が上がる。
・地域の企業・団体にとっては「単なる広告枠の購入」ではなく、「地域とともに歩むパートナー」というポジションを構築できる。
今回の大衡村募集では、期間・施設名が明確に定められています(例:募集期間 令和7年10月17日〜令和8年1月16日など)。これは「いつから/いつまで」「どの施設」が対象かを透明に示しており、参入検討をしやすい条件です。
でも、どんな点を事前に確認・検討したらいい?
ネーミングライツを検討する企業・団体として、以下のような点を押さえておくと安心です。
- 対象施設の来訪者数や利用者層、地域特性を把握する。→ 自社のブランドやサービスと合っているか。
- 契約期間・金額・命名範囲(名称使用は施設看板だけ?広報にも出るのか?)といった条件を確認。
- 名称変更が利用者・住民にどう受け止められるか。→ 地域との関係を大切にする立場として配慮が必要。
- 自社がこの施設名を通してどのようなメッセージを発信したいのかを整理する。「応援」「地域貢献」「ブランド認知」「新サービスの発信」のどれが目的か。
- 命名後のフォロー(例:施設を使ったイベント実施、地域コラボ、利用促進活動など)を考えておくと、より効果が出やすい。
ぜひ、貴社・貴団体でも検討を
こうした背景・意義・効果を見てきて、改めて言えることがあります。
「ネーミングライツは、単なる広告枠ではありません」。
地域×公共施設×企業/団体の“つながり”を形にできる有効な手段です。施設の名前を自分たちのものにすることで、地域住民に「あなたたちもこの施設の支え手だ」というメッセージを伝えられますし、企業・団体にとっても「地域に根づいた存在」というブランド価値を高めるチャンスです。
たとえば、今回の大衡村の募集を契機に「自社が関わるならこうした名称にしよう」「この公園を地域の人にもっと使ってもらうために一緒にイベントをしよう」といった構想を立てることもできます。地域の施設が“活きた場所”になるよう、応援の気持ちを形にしてみるのはいかがでしょうか。

