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市所有施設等におけるネーミングライツパートナーを一斉に募集しますhttps://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000663847.html
公共施設に企業やブランド名を冠する「ネーミングライツ(命名権)」という手法。今回は、大阪市が市所有施設等に対してネーミングライツ・パートナーを一斉募集しているというニュースをもとに、この取り組みの背景・意義・そしてネーミングライツがもたらす可能性について、わかりやすく整理してみます。
背景:公共施設の活用と市の新たな財源
大阪市が出した公告によると、市が所有するスポーツ施設、区民センター、図書館、プールなど51施設を対象に、企業・団体等を“ネーミングライツパートナー”として募集しています。
この取り組みの目的として、以下の2つが明記されています
- 民間企業等との協働によって市の新たな財源を確保すること。
- 市民サービスの向上を図ること。
つまり、市が運営・管理する施設に愛称(ブランド名・企業名・商品名など)を付けていただき、その対価を財源として市政・地域サービスに活かそうというわけです。
意義:命名がもたらす“広告”以上の価値
ネーミングライツというと、「名前を付けてもらってスポンサー料を得る」「企業が広告を出す仕組み」というイメージが強いかもしれません。確かにその側面は重要です。大阪市の説明でも「企業や商品の認知度向上が期待できます」とあります。
しかし、それだけではありません。以下のような付加価値が考えられます。
・地域とのつながり・共創の場として
施設の愛称を企業・ブランドが担うということは、その地域・その施設における“関係性”を築くことでもあります。たとえば、地域の人が「○○ホール」「△△センター」と呼ぶようになることで、その施設が地域の“ランドマーク”的存在になり、企業と地域がつながる機会ともなります。
・利用価値の向上
施設が単なる「公共施設」から、「○○ブランドのセンター」「△△企業の○○ホール」と名前が付くことで、利用者の印象が変わる場合があります。「ちょっと良さそう」「新しく感じる」といった認知変化が起きるかもしれません。そうなると、施設利用の活性化=市民サービスの向上にもつながりうるわけです。
・応援・支援のメッセージ性
さらに、名前を冠するというのは「この施設を応援します」「施設を使う人たちを支えたい」というメッセージを間接的に発信することでもあります。ネーミングライツ料が市の財源となりサービス向上に使われるという説明もあるため、提供企業としては「地域貢献している」というイメージを持たれる可能性があります。
命名による効果:広告を超えた“価値”の拡がり
ここでは、具体的に命名がもたらす効果を3つ挙げて整理します。
- 認知度・ブランド露出の強化
愛称に企業名・商品名を付けることで、「○○社の〇〇ホール」という名称が日常会話・案内掲示・広報誌などで使われるようになれば、企業・ブランドの認知が自然に広がります。大阪市の募集全文でもそれを前提としています。 - 地域イメージ・信頼の向上
「地域のために名を出している」という姿勢が、企業の信頼や好印象につながることがあります。特に地域密着型、地元志向の企業にとっては、「この街を支えています」というストーリーを伝える好機です。 - 施設利用・地域活性化の促進
施設名に新しい愛称がつくことで「ちょっと新しくなった」「注目されている」という印象が生まれ、利用者が増える可能性があります。利用が活発になると、そこに集う人・機会・交流も増え、地域のにぎわいづくりにも寄与します。
大阪市の募集概要から読み取れるポイント
大阪市の案内から、ネーミングライツ実施にあたって抑えておきたいポイントを整理します。
- 対象施設は幅広く、区民センター、スポーツ施設、図書館、科学館など51施設に及びます。
- 最低募集価格(年額・税抜)も示されており、施設により金額や使用期間(1年〜5年、または1年〜8年など)に差があります。
- 名称変更ではなく「愛称としての付与」であるため、施設の正式名称は変わらず、愛称を併用するスタイルです。
- 募集期間・申込方法、選定の手続き等、形式的なルールもきちんと整備されています。
このように、制度としてしっかり整えられており、企業・団体が参加を検討しやすい環境が整っていると言えます。
検討してみてはいかがでしょうか?
以上を踏まて、もし「自社・自団体のブランド価値を地域で高めたい」「地域に貢献しながら知名度をあげたい」という思いがあるなら、ネーミングライツ購入・応募を 検討する価値あり だと思います。
- まずは「どの施設が自社ブランド・事業と親和性があるか」を探してみるのが良いでしょう。たとえば「スポーツ振興」「地域文化」「子ども・教育支援」など、自社が関わっているフィールドとの接点がある施設を選ぶと、単なる広告以上の意味が出てきます。
- 次に「愛称としてどんな名称にするか」「地域住民や施設利用者にとって響く名称か」を検討しましょう。単に社名を入れるだけでなく、「この施設を共に盛り上げます」「地域の笑顔を創ります」といったメッセージを込めた命名も可能です。
- 継続利用を狙うなら、使い始めてからの活用方法も考えておきましょう。施設利用イベント、地域交流の機会、広報連携など、命名した後に“場として”活用することで、命名の効果が一層高まります。
- 最後に、応募条件・募集要項をよく確認すること。大阪市の場合、最低募集価格、愛称使用期間、看板等設置費用・維持管理費などの負担も明記されています。
おわりに
「施設の名前を付ける」というシンプルな仕組みですが、そこには「広告」「地域貢献」「ブランド強化」「地域つながり」といった多面的な価値があります。特に公共施設という“地域のインフラ”に名を連ねることで、企業・団体と地域住民との新しい絆が生まれるかもしれません。
もし、自社・団体として「地域とのつながりを深めたい」「施設利用者・市民にポジティブに認知されたい」と考えているなら、ぜひこのようなネーミングライツの導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。未来の地域をともに支えるパートナーとして、名前を通じた物語づくりが始まるかもしれません。

