埼玉県草加市 ネーミングライツとは何か ──「愛称」を付ける意味

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ネーミングライツパートナー優先交渉権者が次のとおり決定しました。
今後、詳細について優先交渉権者と協議を進めてまいります。
現在も募集中の対象施設はこちらhttps://www.city.soka.saitama.jp/cont/s1201/030/020/040/PAGE000000000000079599.html#%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E6%96%BD%E8%A8%AD

ネーミングライツ(命名権)とは、公的施設や公共施設などの正式名称とは別に、“企業名・商品名などを冠した愛称”を付ける権利のことです。自治体と企業等が契約を結び、その対価を施設の管理運営費用などに当てる仕組みです。愛称は看板や広報印刷物、ホームページなどで使われ、地域の施設にとっては“名前を借り手”を通じて認知度や親しみを高める手段にもなります。 city.soka.saitama.jp 


草加市の最新事例:何が決まった?どこが対象?

草加市では、ネーミングライツパートナーの優先交渉権者が決定した施設と、現在も募集が続いている施設があります。city.soka.saitama.jp

決定した例

募集中の施設例

また、市内の公共施設等については、いつでも提案・事前相談を受け付けており、ネーミングライツを希望する企業や組織は、要項・申込書類を提出することで参加可能です。city.soka.saitama.jp


背景:なぜ今、草加市でネーミングライツを積極的に進めているのか?

草加市に限ったことではありませんが、公共施設の維持や運営には毎年一定の費用がかかります。建物の維持管理、利用促進の広報、施設の更新や修繕などが挙げられます。自治体の予算には限りがあり、税収だけで全てを賄うのは難しい側面があります。

そこで、ネーミングライツを導入することで、民間企業等からの対価を得て、施設の運営費・管理費に充てることができます。また、地域と企業とのつながりを作り、地域貢献の一環として企業側にもメリットがあります。これらが「導入の背景」です。草加市も、施設管理運営費等への活用を明記しています。city.soka.saitama.jp


ネーミングライツの意義・効果

以下、特に注目したいポイントです。

観点内容
広告・認知向上愛称に企業名が含まれていることで、地域住民や利用者にその企業名を知らせる機会が増えます。看板、案内板、広報誌など各種媒体に愛称が載ることで認知度アップ。
地域とのつながり地元企業がネーミングライツを取得することで、「この会社が地域を支えてくれている」「地域の施設が自分たちの身近なところにある」という親近感が増します。
利用価値の向上親しみやすい「愛称」があることで、施設がより話題になる、記憶に残る、利用者が呼びやすくなる、という面があります。施設を誇りに思うきっかけにもなります。
財政的メリット対価(命名権料)を運営費に充てることで、自治体の負担を軽減できます。また、看板設置費などは命名権者負担とされていることが多く、自治体側のコストも抑えられます。city.soka.saitama.jp
社会貢献・イメージアップ地域への貢献という形で、企業のイメージアップが期待できます。「地域を応援する企業」であるというメッセージは、消費者や利用者の信頼を得る要素にもなります。

注意点・課題

ただし、良いことばかりではなく、気をつけるべき点もあります。

  • 正式名称は変わらない:愛称を付けても、条例上の正式名称は変わらないため、公式な文書等では従来名を使う必要があります。city.soka.saitama.jp
  • 表示変更費用・看板設置費用などは命名権者の負担になることが多い。city.soka.saitama.jp
  • 愛称の選定基準には、「地域貢献度」「命名権料」「契約期間」「名称(愛称)の良さ」「企業の経営の安定性」などが含まれ、単にお金を払えばよいというものではない。city.soka.saitama.jp
  • 契約期間満了後の扱いや、施設が廃止された場合など、契約の解除条件や返還ルールが決められている。city.soka.saitama.jp

草加市事例から見える特徴

草加市の今回の募集・決定には、いくつか特徴があります。

  1. 複数施設・公共物が対象
    体育館だけでなく市道、文化会館、歩道橋など、多様な公共施設・公共空間が対象になっており、規模・用途の幅が広いです。city.soka.saitama.jp
  2. 命名権料と契約期間のバランス
    体育館:年200万円・5年/道路:50万円・10年、と対象施設の性格や期待価値に応じて条件に差があります。長期間使われる施設・場所は比較的低めでも契約期間が長い、などの工夫が見られます。city.soka.saitama.jp
  3. 地域企業の参画
    体育館の方は地元・草加市内の企業(マルシン)が選ばれており、地域への貢献という観点が重視されていることがうかがわれます。city.soka.saitama.jp
  4. 愛称が地域に合わせたもの
    たとえば、「マルシンスポーツセンターSOKA」「ひがしんストリート(東京東信用金庫にちなんだ通称)」など、施設の使われ方や地名との組み合わせを考えている案が出されています。親しみやすさ・覚えやすさを意識していることがわかります。city.soka.saitama.jp

ネーミングライツ購入を検討してみては?

これまで見てきたように、公共施設の命名権を購入することには、企業・団体側にも一般住民側にも様々なメリットがあります。もしあなたが企業の方、あるいは団体で、ネーミングライツ取得を検討する立場にあるなら、以下の点を考えてみるとよいでしょう。

  1. どの施設が自社(団体)とマッチするか
     用途・来場者数・目に触れる頻度・地域での認知度などを調べ、どの施設のネーミングライツで最も効果が出るかを考える。
  2. 愛称案を工夫する
     単に会社名を付けるだけでなく、地域名や施設の特徴を取り入れるなど、親しみやすく覚えやすい名前を考えることで、地域への浸透や利用者の共感を得やすくなります。
  3. 命名権料とコスト対効果を計算する
     年額料金だけでなく、看板等表示の設置費用、維持管理費、契約期間などを含めてトータルコストを見積もる。そして、それによって得られる広告価値・ブランド価値・地域とのつながりをどれくらい見込めるかを見極める。
  4. 地域貢献という視点を強める
     ただ「広告」を出すだけではなく、地域イベントのスポンサー、地域住民との交流等、地域の利益につながるアクションをセットにすることで、住民の受け入れや評価が高くなります。
  5. 契約内容・条件をよく確認する
     契約期間、表示開始時期、契約終了後の扱い、解除条件、返還規定など。草加市の資料にも「契約期間満了後の公募」や「施設がなくなったら契約解除」などの条項があります。city.soka.saitama.jp

結び:ネーミングライツは地域を応援し、企業も育てる力がある

ネーミングライツは、単なる広告ではありません。名前を付けることで、人々がその施設を意識し、身近に感じるきっかけとなります。施設運営の持続可能性を支え、地域の活性化にもつながります。また、企業としては「地域応援企業」としてのブランドを育む手段にもなります。

草加市の例は、「地域企業」「地元施設」という組み合わせで、地域と企業が共に“顔が見える関係”を築こうとしている良いモデルです。もし関係する企業・団体であれば、このようなネーミングライツ取得を前向きに検討してみる価値は十分あるでしょう。

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